毎年、年をひとつ取る時期になると昔のことを思い出してしまう。もう21年も前のお話。その頃、僕はつなぎ目を接着すらせず木工作で余った120番くらいのヤスリで削って消そうとしたり、円盤状という理由だけでトムリアットのビームローターから無理やり一人乗りワッパを作ろうとしたり、無知ゆえのラプソディー・モデリング(←今思いついた造語 いいでしょ)を満喫していたわけだ。そして、その年のちょうど今頃に手にしたホビージャパン93年10月号が人生初の模型雑誌だったのだ。巻頭特集は誌の内外から集まったモデラーが思い思いに組んだ古いガンプラを持ち寄ったコンペ「一年戦争回願録」。後のマスターグレードシリーズ発足のきっかけの一つにもなるほどの特集だったのだから、無作法プラモボーイの僕からすればそりゃあもうすごいカルチャーショックですわ。原型をとどめていないほどの改造を施されたゴッグやスマートな組み立てに鉄道カラーでおしゃれに彩られた旧ザク、フロントアーマーをガムテープで留めたデザートザク等(これは真似した&できた!)など。さらにページを進めるとパテの塊(馬パテですよ!懐かしい)と化したコンティオに半魚人のネーチャンのフィギュア・・・犬連れたゾンビみたいのが掲載されてたページは恐ろしくて、努めて飛ばしてたな。ともあれ、この号に趣味の舵を大きく大きく切られたのは間違いないんだよなぁ。前の月に読んだ模型雑誌の内容なんかほとんど印象にないのに、この号だけは脳髄に焼印でもされたかと思うほど覚えている・・・と言うより、跡が残っていると言っていいだろうね。今度古本屋で見かけたら買ってきましょうかね。果たして、あの赤黒いゾンビのオッサンと犬のページを開ける事はできるかな?