今回も需要が微妙そうな記事書きました。お題はE10の分解&清掃です。

マイクロエース製E10−1 実質的な再生産品のほうです。
急勾配を走らせることを目的にしたタンク機関車です。特徴的な五つの動輪がタンク機関車のかわいらしいイメージと一線を画します。そんな変わった子をうちに収蔵しないわけには行かないじゃないですか。

肝心の製品
個体差もあるので一概に言い切れませんが、私の買ったものは組み立てが粗い印象を受けました。ナンバープレートに接着剤はみ出ちゃってますし。それより問題なのは走行性能が悪いことです。ギアチェンジを覚え切れていないマニュアル講習生の自動車みたいな動きをします。毎度の事ながら分解は個人の自己責任でよろしくお願いします。決して、分解を推奨する記事ではありませんので、その事を念頭に見ていただければ幸いです。

またいつもの必殺技です。爪楊枝で隙間開け。ボディはゆっくり引き抜けば問題なく外れます。外したときにゴロンと出てくるウエイトや、ボディの繊細な配管を折らないように注意してください。

ボイラー内に大型のウエイト(右側の青丸)一つとシリンダーブロック内に小型ウエイト(写真手前の赤丸)が左右一個ずつ入っています。

今回の分解の最大の難関はロッド類の取り外しです。裏側のネジ止め2箇所を外せばフタが外れます。その時に先台車、従台車を外します。シリンダーブロックもネジ止めで固定されているので、ネジを外してからピストンを折らないように引き抜いてください。先台車、従台車、ピストンブロックを外し終えた後はもう一度フタを閉め、ネジ止めます。

中央の動輪に差し込まれているリターンクランクをピンセットを用いて慎重に外します。(青印)差し込まれている動輪の端っこを支点にしながら、てこの原理でゆっくり持ち上げるようにすれば楽に外せるはずです。ムリに引き抜くと、勢い余ってメインロッドが曲がります。後はモーションプレートが本体のウエイトとつながっているピン(赤印)をゆっくり引き抜いてやれば写真のように外れます。合併テコとクロスヘッドはメインロッドからすぐ外れるので無くさないように注意してください。逆側も同じ要領で行います。

こんな風にバラけるのは普通ですのでご安心を。不安な方はデジカメで分解前の写真を撮って、組み立ての参考にするのが良いと思います。

再びフタを開けます。ロッドが外されたことにより、五つの動輪が外せるようになりました。この状態だと、真ん中の動輪を除く各動輪はサイドロッドによってつながった状態になっているので、取り扱いには気をつけてください。

左右のダイキャストブロックのネジ止め二箇所を外せば、ご覧通り機関車の開きが出来上がります。

上の赤丸印の黒い物はスペーサーです。無くさないように注意。

油でギトギトである。モーターはストッパーを折らないように慎重に引き抜きます。この油は丁寧に取り除き、模型用のグリスでグリスアップしてやります。プラスチックを溶かすような潤滑油だけは絶対使ってはいけません。

中央の黒い塗装が剥がされ、銀色の地肌が露出している所がモーターとの接点です。(赤丸)この部分も清掃と、接点部分に残っている黒塗装を徹底的に剥がします。反対側のダイキャストブロックの接点は同じようなところになりますが、剥ぎ出しの位置が少しずれた所(青丸)にあるのでモーターとの接点を良く見ながら同様の作業を行います。

動輪とダイキャストブロックの接点(赤丸)も同じような作りなので、同じように清掃を行います。写真の銀色の部分が動輪との接点部分です。左側の銅色の部分(青丸)もよく磨いておきます。

再組み立て&試験走行
ギアの表裏やスペーサーの組み込み忘れに注意して組み上げます。このときはまだサイドロッド以外のロッドをつけていません。分解清掃した結果、走行性能は見違えるように良くなりました!でかしたぞE10!

ここから帰りの峠。中央の動輪の穴がサイドロッドの穴と少しでもズレてるとメインロッドの取り付けは不可能です。中央の動輪の取り外しとはめ込みを繰り返すようにしてギアの噛み合わせを行い、穴の同調を行います。

上手く組みあがった!ここで注意してほしいのがエキセントリックロッドとリターンクランクの位置です。クランクの部品ですので、リターンクランクの取り付け棒と動輪の取り付け穴の位置を間違えるとエキセントリックロッドがつっぱって走らなくなります。試験走行すればすぐに気が付く部分なので、様子を見ながら取り付けてください。自分は間違えてしまいました。

あとはボディを慎重に取り付ければ完成です。機会があれば、ボディの再塗装とE10−2のナンバーに改変しても良いかもしれません。

追記1:ロッドを付けたら少し走行性能が落ちたような気がします。高速走行には問題ないのですが、スローからの起動時には止まることが多いです。もう少し考えないとなぁ。

追記2:再組み立ての際の中央の動輪の穴とサイドロッドの穴の合致位置の精度で走行性能がかなり変化するようです。ギアの噛み合わせが一つくらいずれてても、この穴はほぼ合致してしまいますが、メインロッド類を取り付けたときに走行の妨げになるような気がします。動輪組み込み時に穴と穴が真芯を捕らえる位置を探し出してみてください。

勝手ながら参考にさせていただいたサイト様です。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/index.htm Nゲージ蒸気機関車
特にロッドの取り付けに関しては上記サイト様のKATO製蒸機の分解(2)の記事を参考にしていただいた方が分かりやすいと思います。