ちょっと前に読んだ短編集が部屋の隅から出てきた。

地球の静止する日 (角川文庫)

地球の静止する日 (角川文庫)

映画の題材になったSF短編集が9作品詰まってる。短編なのであっという間に読めちゃいますよ。
 中でも「闘技場(アリーナ)」がお気に入り。お話の舞台は地球人と宇宙人が争う未来世界。その戦争による双方の共倒れを懸念した神様(双方の種族はこの神様の存在を知らない)が密かに戦争に介入する。それはムダな損耗をさせずより強い種族に覇権を握らせるため、双方の種族から神が無作為に選んだ戦士による一対一の決闘をさせると言う物だった!あと、負けた種族は神様が直々に滅亡させっからヨロシクねぇ〜。 と言う内容。神様の用意した闘技場のシステムが中々曲者で、そのルールを利用して地球人VS宇宙人のサドンデスとんち合戦が繰り広げられるのです。
 「38世紀から来た兵士」の未来設定もなかなかおもしろい。第七次世界大戦の真っ只中の38世紀はテレパシーで連携をとるレーザーライフルで武装した歩兵と、同じくテレパシーで探知した敵兵を爆殺させる超能力兵がチャンポンの混沌とした戦場だった。あるとき、戦場での事故により一人の歩兵、クァーロが現代にタイムワープするが・・・?といった感じ。
 明るい未来であれ、絶望の未来であれ、独特の未来世界観を作り上げる人は本当にすごい!