タミヤヘッツァーなど影も形もなかったくらい昔、ドラゴン製の火炎放射ヘッツァーの中古を半額以下で買ったのだ。やたら安いと思ったんだよなー、機銃の防盾とグリルのエッチングが入ってないのに気づいたのは家に帰ってから。購入後に中古品の文句は言えないし、そもそも店主はおろか元の持ち主ですら次元の狭間に迷い込んだエッチングの所在など知る由もないだろう。いつしか成仏できることを期待し、賽の河原のプラモ積み・・・。それからしばらくして、別の中古ショップでドラゴン製の中期型ヘッツァーが僕の前に現れた。「ジャンク扱いなので検品不可」となっているが値は破格の1000円ときたもんだ。不思議な事に箱は妙に重い。火炎放射型の苦い思い出が頭をよぎるが、つづらはデカい/重い方がイイに決まってる!と欲ボケいじわるばあさん思考の僕はそれほど迷わずつづら・・・もとい、キットをレジに持っていくのだった。帰宅し、恐る恐る箱を開けてみると・・・キット本体どころか、別売りの怪しげなエッチングにホワイトメタルの銃架、タミヤの四号アクセサリーセットまでごっそり詰まってる、妙に重たかったのはこれか!ああん、お得すぎるよう!アフターパーツの様子から前の持ち主がしょっぺぇ出来の機銃の周りをなんとかしたいと思っていたのがヒシヒシ伝わる、まるで遺書だな。遺言とも感じ取れるそのキットを眺めていると、別売りエッチングに機銃の防盾も収録されているのが見えた。という事は、元キットの防盾も入っていれば・・・案の定、入っていた。その余分な防盾を火炎放射型に回して一件落着だ!今日も中古プラモは廻る廻る。